高知の自然豊かな村に住む17歳の女子高生・すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。
母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。
いつの間にか父との関係にも溝が生まれ、現実の世界に心を閉ざすようになっていく。
曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日偶然にも、全世界で50億人以上が集う超巨大インターネット空間の仮想世界<U>に「ベル」というキャラクターで参加することになる。
もうひとりの自分。
もうひとつの現実。
もう、世界はひとりひとつじゃない。
<U>では自然と歌うことができたすず(ベル)は自ら作った歌を披露し続けていく内に、あっという間に世界中の人気者になっていく。
そんな驚きも束の間、突如轟音とともにベルの前に現れたのは竜の姿をした謎の存在だった―。