この世界には人間の世界とは別に、もうひとつ「バケモノ」たちが住む世界がある。
渋谷の街と並行しているバケモノの世界「渋天街(じゅうてんがい)」では、バケモノ10万を統べる宗師(そうし)が、バケモノを引退して神様に転生する事を宣言し、新しい宗師を選ぼうとしていた。
候補は二人、人望も厚く品性も備えた猪王山(いおうぜん)と腕っ節は強いが粗暴で弟子のひとりもいない熊徹(くまてつ)である。
父親が家を出てしまい、交通事故で母を亡くし一人ぼっちになってしまった9歳の少年・蓮(れん)。
親戚に引き取られることを拒否して渋谷の街をさまよっていた蓮は、弟子を求めて現実の渋谷に来ていた熊徹に出会った。
強さがほしいと願った蓮は、熊徹の後を追い渋天街に行く。そして熊徹の弟子となり、九太(きゅうた)という新しい名前を授けられた。
当初は、ことあるごとにぶつかり合う2人だったが、やがて多々良(たたら)や百秋坊(ひゃくしゅうぼう)らも交えた奇妙な共同生活と修行の日々を重ねていく。
そして、孤独だった熊徹と九太は互いに成長し、いつしか本当の親子のような絆が芽生え始めるのだった。
九太が逞しい青年となったある日。
偶然にも渋天街から渋谷に戻った九太は、高校生の少女・楓(かえで)に出会う。
新しい世界や価値観を教えてくれる楓との出会いによって、九太は自身が本当に生きるべき世界を模索し始める。
そんな時、熊徹は、宗師の座を賭けて、猪王山と闘う。
九太の応援を得た熊徹は、猪王山を倒すが、父親の敗北を認められなかった猪王山の息子・一郎彦(いちろうひこ)が心の闇に取り込まれ暴走。渋天街と渋谷2つの世界が危機に陥る。
みんなを救うために、自分にできることは何なのか。
九太は、多々良と百秋坊に別れを告げ、一郎彦との決着をつけに、渋谷の街に向かった。
熊徹と九太、そして楓。それぞれに決断のときが訪れる。
監督・脚本・原作 | 細田 守 |
作画監督 | 山下高明、西田達三 |
美術監督 | 大森 崇、髙松洋平、西川洋一 |
CGディレクター | 堀部 亮 |
色彩設計 | 三笠 修 |
2015 | トロント国際映画祭 |
2015 | サン・セバスティアン国際映画祭 |
2015 | BFIロンドン映画祭 |
2015 | シッチェス・カタロニア国際映画祭 |
2015 | 台北金馬映画祭 |
2016 | ニューヨーク国際子ども映画祭 |
2016 | 北京国際映画祭 |